23、『恭が入院した』
◊緊急事態発生。緊急事態発生。雲雀恭弥が入院した。年の瀬も近くなってきたこの頃。気温も急激に下がり、防寒グッズが欲しくなってきたこの時期。その連絡は入ってきた。「委員長が風邪をこじらせてしまって……」死すらも逃げ出すんじゃないかと思われたあ…
気まぐれな吹雪 第一章、平凡な日常
22、『俺の誕生日』
◊11月2日。1年365日という流れの中で、ごく普通の時間が流れていくこの日、しかし忘れてはいけないとても特別な日でもある。12年前の今日、初霜が下りたこの日、一人の女の子が誕生した。「というわけで、今から会場設営を始めます」場所は霜月家。…
気まぐれな吹雪 第一章、平凡な日常
21、『なんで呼ばれた?』
◊「要、仕事だよ」始まりはその一言だった。「仕事? また書類整理でもやんの?」「違うよ。いいからついてきて」それは何でもない休日のこと。特にすることもなく暇だったために草壁さんとお喋りをしようと思い応接室へと赴いた俺だったのだが、入室した途…
気まぐれな吹雪 第一章、平凡な日常
20、『体育祭』
◊2学期に入ってから、そこそこの月日が経過した。残暑とはお世辞にも言い難い蒸し暑さに包まれる中、並盛中に、ついにあれの季節がやってきた。え、何の季節かって? 察してくれ、体育祭だ。書類の仕分けをやってたら、さりげなあく存在してくれてやがった…
気まぐれな吹雪 第一章、平凡な日常
19、『親友の証』
◊夏休みも明けて間もない休日。現在、特に風紀委員の方で呼び出されることもなくやることもなしに暇人である俺は、並盛商店街へとやって来ていた。隣にあるのは夏休みにできた友達、三千院凪の姿。まずは、何がどういう経緯でこの状況に至ったのかを話すこと…
気まぐれな吹雪 第一章、平凡な日常
18、『おっ、ここが応接室か』
◊それは、長かった夏休みも明けて2学期に入ってまもなくの事だった。「ねえ、君」応接室にて、夏休み明けにおいて増えに増えまくった書類をいつものように仕分けしていると、唐突に雲雀から声をかけられた。一体なんのこっちゃと思い振り返る。「今日から君…
気まぐれな吹雪 第一章、平凡な日常
17、『読書感想文が終わらない』
◊「ねえ霜月、ちょっと時間あるかしら」長かったような短かったような夏休みも終盤、特にすることもなく学校を訪れていた俺だったが、そんな最中にあまりに意外な人物から声をかけられた。「え、まあ暇だし……。ていうかいきなり声かけんな黒川、心臓に悪い…
気まぐれな吹雪 第一章、平凡な日常
16、『本日8月8日は何の日だ』
◊どうも、相も変わらず夏休みを満喫している要です。うん、そろそろこのくだりいらねぇよな。俺の近況報告なんて誰が楽しいんだ。そもそも俺は誰に向かって喋ってるんだ。暑さで頭がおかしくなったかコノヤロー。ちなみに外は気温30℃近くの夏日。そんな中…
気まぐれな吹雪 第一章、平凡な日常
15、『1人で寂しそう』
夏休みも半ば。1件も来ない着信に胸を踊らせて、俺は近所の公園へとやってきていた。夏休みだというのに私服でいること自体が珍しくなるなんて、だいぶ風紀委員に毒されてるな。ちなみに宿題は合間を縫ってなんとか殆ど片付けた。自由研究とかいう意味のわか…
気まぐれな吹雪 第一章、平凡な日常
14、『あと5分経ってから』
◊「では、この課題を明日までに終わらせてくださいね。1問でも解けなければ落第となってしまいますからね」『ええ~っ』夏休み真っ盛りな今日、蒸し暑い教室に、やる気も覇気もない少人数のブーイングが響いた。ここにいるのは全員が俺を含む赤点補習組。期…
気まぐれな吹雪 第一章、平凡な日常
13、『問七です』
◊時間が過ぎるのはなんて早いんだろうか。気づけば入学から早3ヶ月半、つまるところは夏休みに突入した。ひたすら並盛の巡回をさせられたおかげで引っ越しをして半年の割にはだいぶ地理に強くなった気がする。路地裏から抜け道までどんとこい。ところで夏休…
気まぐれな吹雪 第一章、平凡な日常
12、『運試しでもやるか?』
◊朝起きてリビングに行くと、小包が届いていた。まさかの宅配と言う過程をすっ飛ばした置き土産だ。加えてどこにも送り主が書いてない。……怪しすぎる。「開けたら爆発……とか、ねえよな」どこのクトゥルフだ。なんてツッコミも不毛に思えてきた。恐る恐る…
気まぐれな吹雪 第一章、平凡な日常